開院100日の御礼、そして
2022年9月6日をもって、開院して100日が経ちました。
これまで診察にいらしていただいた皆さま、そしてホームページをご覧の皆さまの温かいご声援を糧として、改めて動物たちと飼い主様に愛される病院にしていきたい、と考えております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
私が獣医師をめざした「きっかけ」の話
さて記念すべき今回は、改めてこの病院について知っていただきければと思い、(恥ずかしながら、ではありますが)私個人のお話をしてみようと思います。
「先生はどうして獣医師になったのですか?」
飼い主様との会話、そして合コンでのトークの中で(笑)たまに聞かれる質問ですが、「話すと長くなるから、またの機会に」と多くはなかなか話せずにいたので、ここで少し。
若い頃、今から20年以上前になりますが、獣医師になろうと思うきっかけとなった話です。
当時、私は全く違う職業に携わっており、土・日・休日は休みでした。
千葉県のとある市のアパートに住んでおり、たまに近所にいる猫ちゃん(野良猫ちゃんだったと思われる)に出会うと、ご飯をあげていました。
そんなある金曜日の夜7時前くらいでしたか、いつものように仕事から帰ると、普段は私を見ると近づいてくる黒い猫ちゃんが、その時は慌てて逃げようとしているのです!
その上、さらに一生懸命動こうとしているのですが、なかなか逃げられずにいるのです。
その姿に強烈な違和感を覚えた私は、急いでどうしたのかと保護してみると、両前足の肘から先の手の部分が無くなっていて、切断されたような跡がありました。
ふたつの動物病院の違いに見た、獣医師としてのあるべき姿
夜ということもあり、急いでタウンページ(当時はスマホなどで調べることが出来ず)を見て、比較的近くに夜8時まで診察しているところがあり、段ボールに入れて一目散に猫ちゃんを連れて行きました。
ところがそこの動物病院の対応が(ここでは多くは書きませんが)とてもひどかった上に、安楽死しかないと言われました。
当時動物の医学にはほぼ疎い私でしたが、なんとかこの状態ででも生きられないかと思い、一晩家の中で保護しました。
そして次の日、朝一番に違う動物病院に連れて行ったところ、そこで手術をしていただくことになりました。
さらには、うちでは飼えなかったためにその動物病院の二階のスペースで保護もしていただきました。
私はこの動物病院の先生に、とても感銘を受けました。
一生をかける仕事として、獣医師になって出来得る命を救おうと、30歳で獣医大学に入りました。
そしてその後、非常に微力ですが御恩返しになればと、その動物病院に就職し、その猫ちゃんももちろん元気にしておりました。
私が昔、父に教わったことのひとつに、人間は年齢がいくつになっても成長できる、いくつになってもできないことはない、ということがあります。
今は人生100年時代といわれています。
さすがに私も今からオリンピック選手になることはできないとは思いますが、私の同級生にも現在ボディビルダーで日本有数のトップランカーや、数年前までアメフトの日本代表をやっていた者、今新たな事業を立ち上げていて最近メディアにも積極的にとりあげられている者などがおります。
さらには60歳を超えても、まだまだ第一線でご活躍されている、たくさんの見習うべき獣医師の諸先輩方も多くいらっしゃり、非常に刺激を受けております。
そして私も負けないように、これからも日々大切な命と向き合い、獣医学に邁進していきたいと考えています。
さて…今回はお恥ずかしながら私のつまらない人生の一部をさらけだしてしまいましたが、また今度、上記にもあった「きっかけ」となった野良猫ちゃん、そして地域猫ちゃんの話をお話しできたらと思います。